横浜市港南区・芹が谷では、毎年、永谷連合の町内会の人によって豚汁・焼きいも会が行われています。コロナにより数年、焼きいものみの開催でしたが、数年ぶりに豚汁も振る舞われるとのことで、今回行ってきました。
自然が多い芹が谷
芹が谷は、住宅が立ち並びつつも自然が残っている地域です。豚汁・焼きいも会が行われるのは、芹が谷中学校の自然園で、学校敷地の傾斜にあります。校舎の間を通り抜け、落ち葉が敷かれた坂道を下ると、かまどで火を起こしている人たちが見えました。

この日は12月始めで寒いのに、たき火に近寄ると温かく、火を起こしている町内会の人たちは汗をかきながら準備をしていました。
永谷地区で長年続く、人気のイベント

開始時間が近くなると、続々と人が集まってきました。豚汁・焼きいも会は、永谷連合子ども会(永谷連合町内会、永谷地区社会福祉協議会)を中心に、十年以上続けられ、地域で人気のイベントです。
コロナ前では百人以上の参加者がいたそうで、この日も、たくさんのさつまいもが用意されていました。

たき火で焼きいも体験

参加者は、会場の受付で新聞紙に包まれたさつまいもを受け取り、水につけます。アルミホイルでいもを包み、たき火の担当の人に渡すと、いもはかまどの火に放り込まれました。あとは焼きいもができるのを待つだけ。
大人は参加者同士でおしゃべりをしたり、子どもは林をかけ回ったりして、思い思いに過ごしていました。

しばらくして焼きいものできあがり。熱々の焼きいもを持ちやすいように、担当の人が新しい新聞紙に包み直して渡してくれました。
焼きいもに使われるさつまいもは、町内に農家さんがいて、そこにお願いをしているそうです。ほくほくとして甘い味でした。焼きいもを受け取った参加者たちは、おいしそうにほおばっていました。

豚汁でほっこり

今回のもう一つのメインは豚汁です。かまどでは大きな鍋がぐつぐつと煮込まれていて、参加者は、おわんを持って列に並び、熱々の豚汁を受け取っていました。

豚汁は具材が多く、ほっこり落ち着くような優しい味。参加者は、家族や知り合い同士で囲みおしゃべりをしながら食べ、熱そうにふぅふぅと豚汁をすすっていました。
みんなが豚汁を楽しんで「会も終わりか」と思ったら、鍋にうどんが投入されました。それを見ていた参加者がまた鍋を囲み始め、おかわりの行列ができていました。
自然の中でかけ回る子どもたち

芹が谷中学校・自然園は校舎裏手の斜面にあります。子どもたちは、林の中で鬼ごっこをしたり、斜面を段ボールをそりのようにしてすべり降りたりして、大はしゃぎでした。ママやパパといっしょにどんぐり拾いをしている小さな子もいました。

子どもたちに感想をきくと、「楽しかった!」「おいしかった!」と元気に答えてくれました。自然園は、整備された公園とは違い、危ないことや植物、生き物など様々なことを、大人が見守る中で子どもたちが学べる場所にもなっています。
親子で気軽に参加できる

参加者のママパパに話をきくと、回覧や掲示板を見て参加したという声を多く聞きました。回覧で参加確認はしていますが、予約しなくても当日参加でき、子どもの体調や家族の都合に合わせて参加を決められます。
また、永谷連合子ども会(永谷連合町内会、永谷地区社会福祉協議会)主催ですが、町内会の加入や地域を問わず気軽に参加できます。町内会役員の人は「どこの町内会か、町内会入っている入っていないなど、子どもたちには線引きはない。誰でも参加してほしい」と話していました。
大人と子どもがいっしょに手伝う
今回取材した私が驚いたのは、大人だけでなく子どもも一緒にイベントを手伝っていたことです。
中心になって運営していたのは、永谷地区の子ども会役員や町内会役員、社会福祉協議会役員を務める人たちですが、子どもたちも様々なところで活躍していました。
朝早くから、会場の看板を出したり、いもを新聞紙に包んだり、落ちている枯れ枝を薪として集めたりするなど、子どもたちが率先して手伝っているのが印象的でした。

とても仲良しな男の子二人に声をかけると「いつも遊んでいて親友なんだよ」と、にこにこと教えてくれました。こういう地域の行事があることで、子どもたちもより仲良くなれそうですね。

手伝っていた子ども会役員のママにも話を聞くと「子ども会の役員になる前は活動が大変そうと思っていたけれど、なってみると楽しいですね。なにより、子どもが楽しそうですしね」と笑って話してくれました。
地域の大人の声
この豚汁・焼きいも会は学校・地域コーディネーターである永谷連合子ども会会長の蓮見さん(写真左)が「芹が谷中学校の自然園を生かそう」と考え、永谷地区の一つの町内会が行っていた行事を引き継ぐ形で始まった企画だそうで、様々な人たちによって十年以上続けられてきました。
永谷連合町内会会長の若林さん(写真右)によると、コロナ禍でも焼きいもの配布だけは続けてきたそうです。また、「将来を担う子どもたちに、地域のことをもっと好きになってもらいたい」と話してくれました。
蓮見さんは「子ども会のママがイベントに自分の子どもを連れてきて、そこで教える。毎年やっていると、その子が成長し他の子に教える姿が見られる。そうやって人と人をつなげたい」と熱心に語ってくれました。

町内会の行事・イベントに参加するには
永谷連合町内会・子ども会では、豚汁・焼きいも会以外にも、夏には数百人が参加する「夏祭り&盆踊り」や、秋には小学校の校庭でミニSLを走らせる「親子で遊ぼうポッポに乗って」など、子どもが参加できるイベントがあります。


永谷連合町内会のイベントについては、永谷連合町内会の各自治会の掲示板や回覧等で案内があります。
また、各地域の自治会・町内会の情報(連絡先や区域等)は区役所・地域振興課までお問い合わせください。横浜市電子申請システムで自治会・町内会に加入手続きができます。
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横浜市港南区地域振興課
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